社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



「あぁ」





少し素っ気ない、たった二文字。


そんな二文字が拓斗さんの口から聞けた事に安心し、嬉しくなった私は拓斗さんの腕にしがみついていた腕をパッとはなし、両腕を拓斗さんの首元にまわしぎゅっと抱き着いた。





「良かったです。拓斗さんが嫌じゃなくて。これで思う存分触って見つめる事が出来ます」





良かった!


本当に本当に良かった!!





「もう怖いなんて言いません」





そう言って拓斗さんの腕に回している腕に力をいれた時、ソファー後ろの壁にかかっている時計。


即ち今私から見える位置にある時計が目に入った。





「たっ、いへんです!もうこんな時間になってます」





拓斗さんの出勤時間が迫ってる!



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