社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
そして、今アイロンが終わったら急いで準備すると言ったのは、夕方までに私の実家に行くことになっているからで。
実家に行く理由は明日私の成人式だから。
本当は行く気はなかったけれど、お正月に拓斗さんの実家に行った時に怒られちゃったんだよね。
拓斗さんが。
お義父さんもお義母さんも大切な成人式の日くらいは私を実家に泊めてあげなさいと言ってくれて、私が泊まらなくてもいいと言ったんですと言っても、お義父さんもお義母さんはそれは拓斗さんが悪いと言い出して。
「瞳子の服はこれでいいのか?」
「車移動でも寒いのであとはジャンパーを」
「あぁ、どのやつにするんだ?取ってくる」
そう言って立ち上がった拓斗さんを引き留めようとした私、よりも先に行かないでと引き留めたのは瞳子だった。