社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
今日は川の字となると拓斗さんにぎゅっとしてもらえないから、そうなると身体は自由に身動きできる訳で…
ああっ、どうしよう。
グルンと寝返りをした私の身体が瞳子の上に乗っかったりでもしたら。
そんな事を考えただけでもサーッと青ざめていくのが分かる。
「今日は寝なきゃ駄目ですよね?」
「優子…?」
何を言ってるんだ?と言わんばかりの拓斗さんに、なんてバカな質問をしてしまったんだろうと落ち込む。
寝なきゃ駄目なのは駄目に決まってるのは私が一番分かっている事なのに。
明日は一生に一度の成人式で、お化粧もするから肌質を整える為にも睡眠が大切という事も女の私の方が分かっている。
「どうしたんだ?」
今更怖いなんて言いにくいよ。