社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
とってもいいと思います!とはっきりと答えた私は、心の中で瞳子に謝って拓斗さんと二人っきりのドライブに出発する事になったけど…
「大丈夫か?」
「は、はい」
シートベルトに苦戦していた。
いつものようにシートベルトをしていつものように背凭れたら型崩れしそうで…
だから崩れないようにも上手に座ってシートベルトをしなくちゃと思っていたら、こんなにモタモタしてしまってる。
「ごめんなさい。すぐに、あの、シートベルトを」
「手伝う」
「でも、そんな」
わざわざ拓斗さんに手伝ってもらうなんてそんな事は…!なんて私が言い終わる前に拓斗さんはもう動いていて。
「少しシートを倒したら楽になるんじゃないか?」