社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



「拓斗さん…」

「今すぐに脱がせたいし、今すぐに抱きたいとも思ってる。そんな気持ちがある俺は優しくはないだろ?」





拓斗さんが望むなら私は成人式に行かなくていい。


拓斗さんに振り袖を着た私を見てもらえたからそれで満足だし、今すぐ抱かれたって構わないよ。





「私は」

「成人式が終わったらすぐに迎えにいく。俺の我慢が持つのはそれまでだ」





いいな?と言った拓斗さんに成人式出なくてもいいと言いたかったのをグッと耐えたのは、成人式に出てほしいと言ってくれたあの日の拓斗さんを思い出したから。


この前楽しんでこいと言ってくれた事も、振り袖を見て笑ってる私に当日が待ち遠しいなと言ってくれた事も、いっぱいいっぱい思い出したから。


私はこう言わなくちゃ。



< 308 / 452 >

この作品をシェア

pagetop