社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「ビックリ」
「ビックリなのはこっち」
「ねぇねぇ、旦那さんはどんな人なの?」
「拓斗さんなら今青葉と」
そう言って振り向くと拓斗さんと喋っている青葉がいたはずなのに、そこには青葉しかいなかった。
えっ?と思いながら青葉をジーッと見つめていると。
「ダーリンなら言っちゃったよ。他の車が停まりたかったみたいで」
青葉はそう言ってこっちに戻ってきた。
拓斗さんはもう行ってしまったんだ…
もう一回ありがとうと成人式楽しんできますって言いたかったのに。
「ダーリンと離れるのがそんなに寂しいの?優子ったらダーリンが大好きなんだから〜。大丈夫大丈夫、すぐに会えるんだからそんなに落ち込まなくても。落ち込むくらいなら同伴したら良かったのに」