社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「ほらハンカチで押さえて」
「う"ん"」
青葉が言う通りにお化粧が崩れるから泣いちゃダメだと思っているのに、拓斗さんがそう青葉に頼んだ姿を想像したら止まらない。
どんな気持ちで拓斗さんがそう言ったのか、考えただけ涙が出ちゃう。
「三浦さんとっても愛されてるんだね。羨ましいよ」
「ってさっきからうちら三浦さん三浦さん言ってるけど、もう結婚したから三浦さんじゃなかったんだよね」
「い"い"た"て"す"」
「あー、ちょっとトイレで直した方がいいかもしんない!ちょっと優子連れてトイレ行ってくる」
そう言った青葉に連れてこられたトイレの鏡の前で、青葉は化粧ポーチを取り出すと崩れた私のお化粧をなおしはじめた。
正直そんな青葉にビックリしていた。