社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「そんなもん?」
「優子は‘新成人’とか‘大人’とか囚われすぎだって。もっと軽い気持ちで考えなきゃ。だってさぁ、自分達が小さかった時を考えてみなよ。20歳ってちょー大人って感じがしたじゃん?」
その言葉にこくこく頷く。
「でもさ実際なってみたら全然でむしろ早っ!みたいな。30歳から大人スタートでいいじゃんみたいな」
「うん」
「それが普通なんじゃないの?ここにいる何割方がそんな葛藤して今日ここに集まってると思うし。それ以前に大人になってある程度たたないと実感しないって」
そうかな?
私は青葉の言葉を聞き続けた。
「産まれて20年近く子供扱いされてきたのに、ある日突然あなたは大人ですって言われて、ああそうですかってなるわけがない」