社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「もう!じゃあもう一回あーんしてくれたら許します」
「……次は何がいいんだ」
「さっきはトマトだったから、唐揚げがいいです!あっ、私も拓斗さんにあーんしますか?」
瞳子がうまれた時から私と瞳子の関係は親子とライバル。
瞳子が大きくなったらもっとライバルになっていくんだろう…
「ぱ!」
どんどん過熱していく拓斗さんの取り合いも、こうして幸せな雰囲気だったらいいな。
「またあーんしちゃってもらった!あ、でも私の勝ちだからね。あーんしなくてもママの勝ちなの」
「勝ち?」
「だって拓斗さんの奥さんは私しかなれないですから」
大人げないと言われてもそれだけは譲れない事。
拓斗さんと私の関係だけは。