社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)






「来年もまたこうやって歩きたいです。当日じゃなくても記念日を過ぎた次のお休みにでも」

「あぁ、出来る限り当日に。いや出来る限りじゃないな…」

「拓斗さん?」

「串田が俺の秘書で居る限り4月24日は必ず休みになると思う」





そんな会話をしたのが昨日のようにまだ鮮明に覚えているのに、そんな拓斗さんとした会話から今日で一年。


つまり今日は――、拓斗さんと私の結婚記念日。





「機嫌がいいな」

「そりゃあもう!今日は大事な大事な記念日ですからずっとご機嫌ですよ」





全身鏡の前でああでもないここでもないと、洋服を選んでいる私に拓斗さんは壁に凭れ掛かってチラチラ見てくる。





「もうちょっとで決めれます。だからもうちょっとだけ」



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