社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
マンションの地下駐車場から車は出て大通りへ。
方向音痴気味な私でもここから区役所までの道のりはバッチリ覚えている。
「ふんふんふふんふん」
ラジオから流れてきた曲に鼻唄を歌えば瞳子は拍手をして、一緒に歌を楽しんでいるみたい。
あれは瞳子が何ヵ月の時だったかな。
私が童謡を歌っていたら仰向けになった瞳子が両手をパタパタと動かし、楽しそうにあーあーあー!とその童謡にあわせて歌っていたのは。
それから瞳子はとっても歌が好きなんだと思い、将来歌手になっちゃうかもって思ったり。
テレビに出ていた小学生の歌手を見て、瞳子が大きくなったらあんな大舞台で歌うかもと思ったら泣けてきちゃって。
私がマネージャーになるとしたらどうしよう?まで考えてしまった。