社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



「ううーあー、あ」

「上手〜。まだ小さいのに歌が上手だなんて将来が楽しみですね!」





私は立派なバカ親さんだ。


ううん。


瞳子の歌の上手さは親の贔屓目ではなくてもかなりの上手さ。


見た目も飛び抜けて可愛いし、採点に出たら間違いなく満点の優勝。





「あれ、この曲って…」





流れている曲がかわり、聞き覚えのあるゆっくりテンポのバラードが流れはじめた。





「優子はこの曲好きなのか?」

「好きっていうか、これ演奏できるんです」

「演奏?優子が楽器をしてたなんて初耳だな」

「そうじゃなくって中学の時の文化祭で」





懐かしいなあ。


クラス一丸となって毎日毎日放課後残って猛練習したんだっけ。



< 342 / 452 >

この作品をシェア

pagetop