社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
名前も聞く余裕も連絡先を聞く余裕もなかった。
だからいつかどこかで出会った時には…
「寝ちゃいましたね」
ムニャムニャと寝ている瞳子はとても心地よさそうな寝顔は見ているこっちまでも眠たくなる。
「そろそろ車に戻りませんか?」
「もういいのか?」
「私はもう充分満足しました。それに同じルートをだったらここで終了ですもん」
並木道を歩き雑貨屋さんに入って、そのまま私は産婦人科へ向かったから。
私の中では雑貨屋さんを出た時点で記念日ツアーは終了している。
「あっ、初めてですね。あの時は拓斗さんが一人でパーキングに戻ったから、一緒に戻るのは初めてですね」
「取ってくるか?」
「もうイヤです。一緒にいきます」