社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



「拓斗さん、あの…」

「なんだ?」

「この辺りの住所ってもしかして」





私の質問にすぐに答えてくれた拓斗さんに私は目を見開く。


だ、だって、拓斗さんが答えてくれた住所はアレの紙に書いてあった住所と同じ。


私の誕生日に渡してくれたあの封筒に入ってた――、土地の紙に。





「優子は一度も来た事がなかっただろ?だから近い内にと思っていた」

「こんな素敵な場所だったなんて…」

「閑静で気に入った。何ヵ所か下見に来てその中でも特に。あとはこの辺りは交通便も良い。遊具がある公園もいくつかあって、スーパーもいくつかある」





そう言って拓斗さんは空き地の前で車を停めた。





「ここがそうだ。少し降りて見てみるか?」

「見てみたいです!」



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