社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
――力強くて身体が痛い。
でもその痛みが心地が良いと言ったら笑われるのかな?
「俺が悪いんだ。優子にそんな事言わせて」
「拓斗さんは悪くないです。それに…、私は嬉しいって思ってますから」
「嬉しいか?」
「だって、私に好意がなかったらそう思わないはずですもん。えへへ、拓斗さんの愛が知れて嬉しいです」
やきもちや嫉妬の意味の欄には愛しい人と書かれている。
自分にとって‘愛しい人’が、自分にとって‘愛しい人’だから。
自分にとって愛しくなければお餅にはならなくて、拓斗さんに‘好意’と言ったのは恥ずかしいからで。
私にもっと勇気と強さがあれば好意なんて言葉は使わなかったかもしれない。
「ちょうど今日です。拓斗さんと結婚できたのは」