社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「瞳子ちゃん、こっちですよ」
「やー!」
ぬいぐるみを見せられてもイヤイヤと外方を向く瞳子に。
「これはどうかな?」
次は瞳子に風船を見せる。
それでもぬいぐるみ同様に瞳子はイヤイヤと外方を向く。
「駄目ですかね」
「そうだな…。ここまでなるとは思わなかった」
「私もです。いつもなら自ら来たりするのに、この雰囲気が嫌なんですかね」
そんな私の言葉に拓斗さんは少し首を傾げて苦笑いをした。
――今、何をしているかと言うと瞳子の写真を写真館のカメラマンさんに撮ってもらっている。
ファーストバースデー記念の。
「お母さん、少し瞳子ちゃんを抱いてもらってもいいですか?」