社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「どうしても瞳子ちゃん一人だけの写真をと思われるなら、お母さんお父さんも一緒に入っていただいて、瞳子ちゃんだけを写すのも可能ですよ」
その方がいいのかな。
そう思い拓斗さんに視線を向けると小さく頷いた拓斗さん。
「それでお願いします」
「分かりました。ではお父さんも」
拓斗さんが私の隣にくる。
肩を動かせばあたる距離に拓斗さんがいて、ちらり横を見ればこうして写真を撮られる拓斗さんをすぐ横から見る事はあまりないから緊張して。
けど、それ以上にドキドキして。
その鼓動は瞳子に伝わっていそう。
「ぱー、ぱー」
「ふふっ、拓斗さんに抱っこしてもらいたいみたいです」
「いいのか?」
「その方が瞳子は喜びますから」