社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
チェアには座りたくないという瞳子に、カメラマンさんの助手をしてる人がわざわざチェアを退かしてくれた。
理想の撮り方ではないけど…
「ではいきますね」
こうしてるとこの方が合ってる気がした。
――――――――
―――――
――
写真を撮って、写真館を出た私達が向かったのはマンションではなく拓斗さんの実家。
一軒家にしては大きな駐車場にバックで駐車している時に、玄関先からお義父さんとお義母さんが出てきた。
「よく来てくれたね」
「いらっしゃい。もう準備はしてあるの。ふふ、上がって」
本当はマンションに来てくれるはずだったお義父さんとお義母さん。
けど、この前きた電話でそれは変わった。