社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
カーテンの隙間からも結構見えたお庭だったけど、全開にした事で綺麗で広々としたお庭を眺める事が出来た。
――日本庭園。
お手入れが大変だけど見てて落ち着くと言っていたお義母さんの気持ちがよく分かる。
「拓斗さんは小さかった時、このお庭でよく遊びましたか?」
「あぁ」
写真で見た小さい頃の拓斗さんを思いだし、このお庭を走り回ってる姿を想像してみる。
「ふふふ、可愛い」
私が考えてる事に気付いたのか拓斗さんは少し不機嫌な顔になり、プイっと外方を向いた。
可愛い…
その横顔を、とても大人な拓斗さんが可愛いと思ってしまい、次こそは口に出しちゃいけないと私はお庭を見て不思議に思っていた事を拓斗さんに聞く事にした。