社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「それからまた建てる事なくあのままだ。母さんが茶室をまた強請ればいつでも建てれる状況にしてあるんだろうな」
「凄いとしか言えません」
「そうか?けど漸く俺も父さんの気持ちが理解できるようになってきた」
えっ…?
「俺は結局父さん似なんだろう。俺も優子のオネダリには弱いからな」
なんて困ったように拓斗さんは言ったけど、口角は上がっていてどこか嬉しそうな表情をしている。
「どんな願いでも叶えたい。優子がそれを望むなら」
「拓斗さん…、それなら今オネダリしてもいいですか?」
「なんだ?欲しいものでもあるのか??」
言ってみろと言う拓斗さんを見上げて私はニコッと笑い精一杯のオネダリを。
「抱き締めてください」