社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
拓斗さんと二人っきりになって、ぎゅっと抱き締めてもらいたくなった。
そんなオネダリ。
「ダメですか?」
「……ダメなわけがないだろ」
私の手を引いた拓斗さんは私を胸に押し付けるようにギュッと抱き締めてくれた。
温かな拓斗さんの体温と拓斗さんの匂いに酔いしれる。
そんな私の耳元で拓斗さんは。
「好きだ」
と私が今思っていた気持ちを言葉にしてくれて…、胸がキュンとなると同時にうずうずしてしまうのは、ギュッと抱き締めてもらうだけじゃ足りなくなった事に気付いたからで。
なんだか恥ずかしくなる。
今はお昼で、しかもここは拓斗さんの実家なのにそう思うなんて…
その恥ずかしさを隠すように拓斗さんの胸に顔を埋めた。