社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



大きなケーキにゆらゆら揺れる一本の蝋燭。


それを瞳子は輝くような目で見ていて。


その輝くような目はいつまでも続いてほしい…、と私は思いながらも一歳になった瞳子とたくさんの思い出を家族皆で作っていきたい!と願いを込めて、バースデーの歌を歌う。





「デーディア瞳子ちゃん。ハッピバースデートゥーユー」





拓斗さんとお義父さんは私みたいに大きな声ではなかったけどちゃんと口ずさんでくれて、お義母さんは片手でビデオカメラを持ったまま、片手で口を押さえ肩を揺らしていた。





「まー、っま」





早くケーキを食べたいと急かす瞳子にはみんなの気持ちが届いているのかな?


皆ね、瞳子の事が大好きなんだよ。


だから大きくなってもこの愛だけは忘れないでね。






< 375 / 452 >

この作品をシェア

pagetop