社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
そう言って私の頭を撫でた拓斗さんは立ち上がり、瞳子の隣に腰をおろした。
そして拓斗さんの膝を叩いた瞳子は満面の笑みで抱っこを強請る。
「きゃあ!」
膝の上に乗った瞳子はにこにこ笑顔で拓斗さんを見上げていて、その姿に微笑ましいと私の頬も緩む。
「ぱーっ」
「ん?」
「ぱーっ、ぱっ」
一生懸命パパと言いたそうな瞳子に拓斗さんは耳を傾ける。
ん?なんて甘い眼差しを向けて、それに応える瞳子も甘い。
その光景にますます顔は緩んでいく一方で、そろそろ乾燥機をチェックしなければいけないのに、ずっと見ていたくて立ち上がれない。
「ぱーっ」
「楽しいのか?」
「あー!」
「そうか。次はぬいぐるみで遊ぶか?」