社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



そう言って私の頭を撫でた拓斗さんは立ち上がり、瞳子の隣に腰をおろした。


そして拓斗さんの膝を叩いた瞳子は満面の笑みで抱っこを強請る。





「きゃあ!」





膝の上に乗った瞳子はにこにこ笑顔で拓斗さんを見上げていて、その姿に微笑ましいと私の頬も緩む。





「ぱーっ」

「ん?」

「ぱーっ、ぱっ」





一生懸命パパと言いたそうな瞳子に拓斗さんは耳を傾ける。


ん?なんて甘い眼差しを向けて、それに応える瞳子も甘い。


その光景にますます顔は緩んでいく一方で、そろそろ乾燥機をチェックしなければいけないのに、ずっと見ていたくて立ち上がれない。





「ぱーっ」

「楽しいのか?」

「あー!」

「そうか。次はぬいぐるみで遊ぶか?」



< 380 / 452 >

この作品をシェア

pagetop