社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
プレゼントしてくれた時も泣きながら笑った私にどっちかにしろって、拓斗さんは言ってくれたその時よりも今は心がとてもあったかい。
「パパって呼んでくれたのは嬉しい。だけどな、ママって呼んでくれた方がパパは嬉しいんだ」
私と同じ気持ちでいてくれてるんだね。
私はママよりも早くパパって瞳子を呼んでほしいと思っていた。
「……入れないよ。今は」
今リビングに入ってはいけないような気がして、私は他で畳もうと涙を拭いそっとカゴを持ち上げて部屋に入る。
ひとりで部屋にいるのは寂しいのに今は寂しさよりも幸せでいっぱいで。
「うへへへ」
またどっちかにしろって言われるんだろうなと思いながらタオルを畳んでいく。