社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「コレだけだよ」
「まんま!」
私からお菓子を奪うように掴み、それを大きな口の中にいれていく。
小さな小袋に入ったボーロが大好きな瞳子。
確かにボーロは美味しいから、たまーに頂く事がある。
「ふぅ…」
ボーロを食べている瞳子の頭を撫でて空を見上げた。
梅雨入りする前に毛布とか干したいな…
はっきり見える太陽も梅雨に入ってしまえば見れなくなる日も続くなんて憂鬱な気分。
「ジュー!」
「ジュースも飲みたいの?」
「ジュー、ジュー」
ボーロの次はジュース。
「ちょっとだけだよ」
「ジュー!」
ストロー付きの果汁ジュースを瞳子はぎゅっとつかむ。