社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
案の定、抱き上げて背中を叩くととろんとした瞳に瞼をおりていく。
ベビーカーにおろしたら怒って起きちゃうかな。
仕方ない…
このまま瞳子を抱っこしたままマンションまで帰ろう。
「大丈夫?」
「はい。馴れてるので」
「ママっ子なんだね」
「パパっ子ですよ。パパがいたらパパから絶対に離れないし」
拓斗さんが好きな所は私に似たんだ。
「家まで送ろうか?」
「そんな…、すぐそこなので」
なんて話していると鞄の中にある携帯の着信音が鳴った。
この着信音は拓斗さんからだ…
すぐに出たいけど瞳子を抱っこしているからスムーズに鞄の中から携帯を出せずに、もたもたしていると、そんな私に見兼ねたように男の人が。