社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「……分かりました。串田さんを待ってます」
『そうか』
本当は分かりましたなんて言いたくなかったけど分かりましたを言うまで、分かりましたを言えと仕事をせずに言ってきそうだったし、拓斗さんがとんでもない事を言い出しそうな気もして言ってしまった。
それからなんとか電話を切り終えた私は男の人から瞳子を受け取った。
「もしかして怒られた?」
「怒られたっていうか…」
「独占欲が強いパパなんだね。うん。君逹を見てるとそうしたくなる気持ち分かるよ」
独占欲、かぁ。
「愛されてるんだね〜」
拓斗さんを私を愛してくれてるのは分かってる。
けど初対面の人にそうなんですよ〜!なんて言えるわけなく私は恥ずかしくて俯いた。