社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「直通?」
「指定した階以外では一切止まらなくなる、そんなカードを使いました」
「すごいですね。エレベーターもそんなハイテクな種類があるなんて知りませんでした…」
「出来れば使用したくない物ですが、今日は特別に。社長の機嫌をこれ以上損ねたくないので」
そう言って串田さんはコンコンと社長室の扉をノックした。
「なんだ」
「串田です。奥様とお嬢様を」
「入れ」
ゆっくり開かれた扉。
見えた光景はいつ見てもビックリするような高級感漂う社長室。
ただ一つそんな空間にとても似合わない物が一つ。
それはベビーベッド。
社長室にベビーベッドを置くと聞いた時は置かなくてよくないですか?と反対したよ。
けど拓斗さんは絶対置くと…