社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「だから心配になる」
「そう言ってくれるのは拓斗さんくらいですよ?」
「だといい。本当に俺だけが優子を可愛いと思ってればいいと思うのが本音だから、な」
私も拓斗さんだけでいい。
拓斗さんだけにお世辞でも良いから可愛いって言ってもらえるならそれで満足。
「何か言いたいと思ってたが優子の顔見たら駄目だ。言えなくなる」
困ったなんて言う拓斗さんだけどその顔は困ったと思ってそうな表情ではなく、いつもの拓斗さんの顔に戻ってる。
さっきここに社長室に来た時の拓斗さんは不機嫌な顔をしていたからいつもの拓斗さんで安心してきて、たまにはこんな拓斗さんを、私を独占してくれる姿を見れるのも何だか嬉しい…
なんて思ってた私が逆の立場になるのはすぐ後の事だった。