社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
背後から突かれるのはあまり好きではない。
拓斗さんの顔を見つめながら、拓斗さんの首に手をまわしながら、それが好きだと知っているからいつもそうしてくれてたのに…
「水いるか?」
漸く水を取りに行ってくれた拓斗さんがうつ伏せで、ぷいっと外方を向いてる私にそう聞いてくれたけど。
けど、けど、けど!
水は1時間前のあの時に取ってきてもらいたかった。
「優子」
「……」
「ゆーうーこ」
ヤダヤダと頭を振る。
今の拓斗さんなんて知らない!
「嫌だったか?」
「……」
「すまなかった。優子の顔見て謝りたい」
ギシッとベッドが揺れたのを感じ、拓斗さんがベッドの腰かけたのが分かる。