社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「もういっぱい飲みました」
「そうか」
私の乱れた髪を拓斗さんは手櫛で整えてくれてから親指で私の唇に触れた。
「身体、大丈夫か?」
「動けません」
ポツリそう呟くと上からククッと笑い声が聞こえてきて、笑われた事に頬っぺたを膨らませばそしてそんな私にまたククッと笑う拓斗さんにもう反応する事をやめて、ぐしゃぐしゃになったシーツをジッと見つめる。
もう寝たい…
本当は何か着たいと思うけどそんな気力なんてない。
「寝るか?」
「寝ないと朝ご飯もお弁当も作れないです」
「立てるのか?」
「それは…」
微妙すぎる。
数時間で立てるまで体力が戻るかと聞かれたら、分からないとしか答えられないのが現状。