社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
流石拓斗さんだ!
羨望と尊敬の眼差しで拓斗さんを見つめていると。
「拓斗くん…、それってどういう事?」
「……」
「ふんっ。いいわ。逆にその方が燃えるし」
何が燃えるっていうんだろう。
よく分からないままその日は遠藤さんが帰って行き、その燃えるの意味を知ったのは翌日の昼間に突然来た遠藤さんが教えてくれた。
「あっちのプランとこっちのプランを見比べてもらって良い方を建てればいい話よね?だから早速好みとか願望とか聞きに来たってわけよ。よろしくね、優子ちゃん!」
「でも私の好みと願望だけじゃ何も分からないような気が」
「何を言ってるの。家にいる時間は拓斗くんより優子ちゃんの方が断然多いの。キッチンだって優子ちゃんが拓斗くんより断然使うじゃないの」