社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



ソファーに横たわっても瞼を下ろしても今日はちっとも眠気はやってこない。


私の意識は今耳に集中しているのは、鍵の開ける音を聞き逃さないようにと携帯の音を聞き逃さないように、



―――ガチャ―



……っ、帰って来た!


ガバッと勢いよく起き上がった私は一目散にリビングの扉をあけ、玄関へと向かった。



「拓斗さん、お帰りなさい!今日も一日お疲れ様です」



ダッシュしてきた私を見て拓斗さんは一瞬目を見開いたけれど、すぐに目を細めて私の頭に手を伸ばした。



「ただいま」

「お疲れ様です。ご飯どうしますか?」



あぁ、と頷く拓斗さんに笑顔を向けた。


良かった、その時間を過ごせて。



「すぐ準備しますね!今日ははりきって作ったんですよ。あっ、勿論いつもだって拓斗さんの為にはりきってますけどね?」

「知ってる。でもその前に」





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