社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



それに、それ以外も良い事だけではない。


まだ10代でお母さんになった事に対して風当たりというか、色眼鏡で見られてしまう事もよくある。


今はまだしも瞳子が大きくなるにつれ、関わる人が多くなったらもっとそう思われてしまう。


それでも‘けど’がつく。


誰に何を言われてもどう思われても、私自身はとってもとっても幸せで、だからこそ思うのかもしれない。



「出産は命懸けだという事は充分分かってます。拓斗さんは怒るかもしれないけれど、私は万が一自分の命が駄目になってしまっても赤ちゃんが無事ならそれで良いんです」



顔だけではなく身体ごと拓斗さんに向け、腕捲りをしているその逞しい腕に手をのせる。



「私は拓斗さんが好きなんです。すっごくすっごく大好きなんです。そんな大好きな人と子孫を残す事って素晴らしい事ですね?例え私が亡くなっても、私の生きていた事が」



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