社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「冗談だ」
「拓斗さん〜」
「充分今日はゆっくり出来たと思ってるからな。まあ、例え俺がゆっくり出来なかったとしても、優子を満足させる体力は残ってる」
満足させるって…
「それに今日はお預けされっぱなしだったからな」
「お預けなんてしてません」
「しただろ?」
「……」
黙り込む私に、しただろ?とまた意地悪な顔に戻りもう一度聞いてきた拓斗さん。
そんな拓斗さんにしてませんと言ってもまた同じ事の繰り返しになり、そうだと思った私はとりあえずごめんなさいと謝罪。
そんなごめんなさいが拓斗さんの大人スイッチをオンにしたという事に気付いたのは、くたくたになった私を抱き締めたまま、眠りについた拓斗さんの横顔を見た時だった。