桜色の恋
「ありがとうございました」

そういって少女は深々と俺に頭をさげて
去っていった。

俺はすかさず少女のあとを追い声をかけた。

「俺、三年の漣圭一(さざなみけいいち)っていうんだけど、ねぇ、君って何年生?」
「一年です」
へぇ。一年かぁ。
「名前は?」
「岡本菫(おかもとすみれ)です」
「菫ちゃんね」
菫かぁ。かわいい名前。
「あ、ごめんね。突然声かけて。実は俺、君のことずっとみてたんだよね。かわいいこだなぁって」
「…はい」
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