海の城 空の扉
――ミャア
少し先で、猫の目が二つの金貨のように光っている。
ラドリーンがついて行くと、猫はまた先へ進んだ。
通路は折り返しながら、次第に緩やかな下り坂になっていった。
幅は人ふたりがやっと通れるくらいで、高さはラドリーンが背伸びして手を挙げて指先が届くくらいだ。
今まで見つけてきた通路より長い。
やがて道標用に持って来た麻糸が残り少なくなってきた。
この先は外だろうか?
間違いなく前方から潮風が吹き込み、波の音も聞こえる。
間もなく視界がいっぺんに開けた。
「う……わぁ」
ラドリーンは思わず驚きの声を漏らした。
そこは巨大な洞窟だった。
糸巻きを石床に落とし、蝋燭の炎を掲げて辺りを見回す。
ゴツゴツと荒削りな岩肌の天然の洞窟だ。
人の手が入っていると思われるのは、今ラドリーンが立っている半円型のテラスと下に向かって伸びている階段だけだ。
階段の先は暗い深淵のようで、海水が波音を立てていた。
少し先で、猫の目が二つの金貨のように光っている。
ラドリーンがついて行くと、猫はまた先へ進んだ。
通路は折り返しながら、次第に緩やかな下り坂になっていった。
幅は人ふたりがやっと通れるくらいで、高さはラドリーンが背伸びして手を挙げて指先が届くくらいだ。
今まで見つけてきた通路より長い。
やがて道標用に持って来た麻糸が残り少なくなってきた。
この先は外だろうか?
間違いなく前方から潮風が吹き込み、波の音も聞こえる。
間もなく視界がいっぺんに開けた。
「う……わぁ」
ラドリーンは思わず驚きの声を漏らした。
そこは巨大な洞窟だった。
糸巻きを石床に落とし、蝋燭の炎を掲げて辺りを見回す。
ゴツゴツと荒削りな岩肌の天然の洞窟だ。
人の手が入っていると思われるのは、今ラドリーンが立っている半円型のテラスと下に向かって伸びている階段だけだ。
階段の先は暗い深淵のようで、海水が波音を立てていた。