海の城 空の扉
ラドリーンが問い掛けるように見ると、猫が頷いた。
――バードの名前を貰ったから、もうあげても大丈夫だよ
「名前のやり取りに何か意味があるの?」
「もちろん。名前は血や肉と同じく、その者の一部だ」
アスタリスはニイッと残酷そうな笑みを浮かべた。
「食えばさぞかし美味かろう」
ラドリーンはギョッとして固まった。
――からかうのやめなよ、バード
猫がため息混じりに言った。
「表情がくるくる変わって面白い。安心しろ。俺は人喰いではない」
――大丈夫だってば!
黒猫がラドリーンの横に座って言った。
――お互いの名前を知っていれば、呪縛の魔法にはかからないから。オイラはリナムだよ!
よく分からなかったが、ラドリーンは頷いた。
「わたしはラドリーン」
「ラドリーン」
アスタリスは名を味わうかのように繰り返した。
――バードの名前を貰ったから、もうあげても大丈夫だよ
「名前のやり取りに何か意味があるの?」
「もちろん。名前は血や肉と同じく、その者の一部だ」
アスタリスはニイッと残酷そうな笑みを浮かべた。
「食えばさぞかし美味かろう」
ラドリーンはギョッとして固まった。
――からかうのやめなよ、バード
猫がため息混じりに言った。
「表情がくるくる変わって面白い。安心しろ。俺は人喰いではない」
――大丈夫だってば!
黒猫がラドリーンの横に座って言った。
――お互いの名前を知っていれば、呪縛の魔法にはかからないから。オイラはリナムだよ!
よく分からなかったが、ラドリーンは頷いた。
「わたしはラドリーン」
「ラドリーン」
アスタリスは名を味わうかのように繰り返した。