海の城 空の扉
ラドリーンはアスタリスを見上げた。
「リナムを連れて行くのはもう少し先だ」
ラドリーンはホッとして、少し肩の力を抜いた。
「今度はお前が答える番だ。ここで何をしている?」
「何も。退屈だから城の中を見て回っていただけ」
「退屈か――リナム、ラドリーンの部屋に土産を置いてあるぞ」
アスタリスは、ラドリーンを見つめたまま言った。
――え、ホント? 何?
「生の鰊だ。先に行ってろ」
ラドリーンが『待って』と言う間もなく、リナムは全速力で走って行った。
「わたし……」
「何だ?」
アスタリスは、言い淀むラドリーンの手を取ると、蝋燭を吹き消してしまった。
暗闇が二人を包み込んだ。
「何をするの!」
ラドリーンは急に怖くなった。
暗闇の中、懐かしい香りがラドリーンを包んだ。
「リナムを連れて行くのはもう少し先だ」
ラドリーンはホッとして、少し肩の力を抜いた。
「今度はお前が答える番だ。ここで何をしている?」
「何も。退屈だから城の中を見て回っていただけ」
「退屈か――リナム、ラドリーンの部屋に土産を置いてあるぞ」
アスタリスは、ラドリーンを見つめたまま言った。
――え、ホント? 何?
「生の鰊だ。先に行ってろ」
ラドリーンが『待って』と言う間もなく、リナムは全速力で走って行った。
「わたし……」
「何だ?」
アスタリスは、言い淀むラドリーンの手を取ると、蝋燭を吹き消してしまった。
暗闇が二人を包み込んだ。
「何をするの!」
ラドリーンは急に怖くなった。
暗闇の中、懐かしい香りがラドリーンを包んだ。