海の城 空の扉
2
額に何かが触れる感触で、ラドリーンは目を覚ました。
いつもと何かが違う。
ラドリーンは何度も瞬きをした。
誰かの暖かい腕にすっぽりと包まれている。
「アスタリス?」
「何だ?」
闇を通して、アスタリスの声がした。
眠りに落ちる前の記憶が一気に蘇った。
身体を強張らせると、大きな手が宥めるようにラドリーンの髪を撫でた。
「どうして?」
ラドリーンは小さな声で聞いた。
「わたしに何をしたの?」
「ラドリーン、命のある者はみんなああする。あのようにして愛し合い、命を未来へと繋いでいく。鳥も魚も、形は違えど花でさえも」
「わたし達は愛し合ってる?」
「少なくとも、俺はお前を愛おしいと思っているが?」
お前はどうだ?――と、問われた気がした。
「答えられないか」
アスタリスの声は、微かに笑いを含んでいた。
いつもと何かが違う。
ラドリーンは何度も瞬きをした。
誰かの暖かい腕にすっぽりと包まれている。
「アスタリス?」
「何だ?」
闇を通して、アスタリスの声がした。
眠りに落ちる前の記憶が一気に蘇った。
身体を強張らせると、大きな手が宥めるようにラドリーンの髪を撫でた。
「どうして?」
ラドリーンは小さな声で聞いた。
「わたしに何をしたの?」
「ラドリーン、命のある者はみんなああする。あのようにして愛し合い、命を未来へと繋いでいく。鳥も魚も、形は違えど花でさえも」
「わたし達は愛し合ってる?」
「少なくとも、俺はお前を愛おしいと思っているが?」
お前はどうだ?――と、問われた気がした。
「答えられないか」
アスタリスの声は、微かに笑いを含んでいた。