先生と僕たち私たち
それから日直になる度に憂鬱になり、何人かは毎度泣き、休み時間に菅原に雑談をする者はいないまま季節は流れた。

秋になっても菅原と生徒の間には見えない壁があった。

「なあ、全国的に体罰が問題になってんじゃん?だから良い案を考えたんだけど」

「何だよ?」

男子の話が気になり、耳を傾ける。

「4限目の体育でわざと菅原に殴られるようなことしてみようぜ。それで俺たちが訴えたらこの学校から菅原は排除」

恐ろしい考え。

「スゲー!めっちゃ良い案じゃん」

「さすが!」

「シー!黙ってろよ」

本当に実行するんだろうか。

そればかりが気になって、3限目の数学にまったく集中できなかった。
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