宝物〜絆〜
香奈と沙織の二人の様子を交互に見ていると、沙織が香奈に向かって口を開いた。
「香奈。あんたまだ言いたい事あんの? 私は香奈にとことん付き合うつもりだけどさ。でも、正直言って最近の香奈、何がしたいのか分かんねえよ。仁美達が言う事の方が正しいと思う。今までだって、こんな事して何か良い事あったっけか?」
諭すように話す沙織。
間違った事は言ってねえと思うけど、そもそも前回も今回もこいつが一番楽しんでるように見えたのは気のせいだったのか?
「沙織まで何なの?」
俯いてポツリと呟いた香奈は、数秒黙り込んだ後、突然叫びだした。
「もう良い、帰る!」
木の近くに放り投げてあった自分の鞄を乱暴に拾い上げ、そのまま誰の方も向こうとしないで去って行く香奈。
その行動に皆驚いたのか、沙織だけでなく仁美達も、口を開く事なくただ唖然とした表情をしている。
私も何となくボーッとして香奈が去った方を眺めていると、不意に沙織に話し掛けられた。
「香奈。あんたまだ言いたい事あんの? 私は香奈にとことん付き合うつもりだけどさ。でも、正直言って最近の香奈、何がしたいのか分かんねえよ。仁美達が言う事の方が正しいと思う。今までだって、こんな事して何か良い事あったっけか?」
諭すように話す沙織。
間違った事は言ってねえと思うけど、そもそも前回も今回もこいつが一番楽しんでるように見えたのは気のせいだったのか?
「沙織まで何なの?」
俯いてポツリと呟いた香奈は、数秒黙り込んだ後、突然叫びだした。
「もう良い、帰る!」
木の近くに放り投げてあった自分の鞄を乱暴に拾い上げ、そのまま誰の方も向こうとしないで去って行く香奈。
その行動に皆驚いたのか、沙織だけでなく仁美達も、口を開く事なくただ唖然とした表情をしている。
私も何となくボーッとして香奈が去った方を眺めていると、不意に沙織に話し掛けられた。