宝物〜絆〜
「理由も分からないのに承諾したの? 仮に体調が悪いなら仕方ないけど、それにしたって当分休むって連絡してくるのもおかしな話だわ。明日には治るかもしれないのに」
永田さんは話しているうちにヒートアップしていき、怒っているような口調に変わっていた。
正直永田さんのこんな態度を見るのは初めてだ。筋の通らない事が嫌いな永田さんだから、曖昧な理由が気になるのかもしれない。
私は香奈の欠勤の原因が自分のせいのような気がして、口を挟む事も出来ず、鞄をロッカーに押し込むと二人の会話を黙って見守った。
秀人も何かしらの雰囲気を感じとっているのか、何も言わずに煙草を手に持って喫煙コーナーに向かう。私もそれに続いた。
「ハハ。なんか声が暗かったから聞くに聞けなかったんだよね」
店長は苦笑しながら答える。
「何かあったのかしら。確か、香奈ちゃんのご両親と店長は知り合いだったわよね? 親御さんからは何も聞いてないの?」
腑に落ちないといった表情の永田さんは、更に突っ込んで質問した。
「何も聞いてないよ」
店長は煙草の灰を灰皿に落とす。
「仕方ないわね。今度聞いといてよ。何があったか気になるし」
何となく引っ込みがつかなくなった様子の永田さん。店長の「機会があったらね」という台詞に納得して突っ込むのをやめた。
永田さんは話しているうちにヒートアップしていき、怒っているような口調に変わっていた。
正直永田さんのこんな態度を見るのは初めてだ。筋の通らない事が嫌いな永田さんだから、曖昧な理由が気になるのかもしれない。
私は香奈の欠勤の原因が自分のせいのような気がして、口を挟む事も出来ず、鞄をロッカーに押し込むと二人の会話を黙って見守った。
秀人も何かしらの雰囲気を感じとっているのか、何も言わずに煙草を手に持って喫煙コーナーに向かう。私もそれに続いた。
「ハハ。なんか声が暗かったから聞くに聞けなかったんだよね」
店長は苦笑しながら答える。
「何かあったのかしら。確か、香奈ちゃんのご両親と店長は知り合いだったわよね? 親御さんからは何も聞いてないの?」
腑に落ちないといった表情の永田さんは、更に突っ込んで質問した。
「何も聞いてないよ」
店長は煙草の灰を灰皿に落とす。
「仕方ないわね。今度聞いといてよ。何があったか気になるし」
何となく引っ込みがつかなくなった様子の永田さん。店長の「機会があったらね」という台詞に納得して突っ込むのをやめた。