宝物〜絆〜
「ああ。うちらは家近いけど、立川や唯は電車だからな。いちいち帰んのも面倒だろ」

 私はペットボトルの蓋を開けてお茶を飲んだ。

「そっかぁ。ちなみに美咲がカラオケって言ったらフリータイムだよね? 昼か夜、どっちのフリータイムで入る?」

 茜に聞かれて気づいたけど、そういえば考えてなかったな。学校終わってから昼の部にすると二時間しかねえし、夜の方が良いかな。

「昼だと実質二時間くらいしか歌えねえんだよな。唯って門限あんの?」

 茜なら唯に門限があるかくらい知ってるだろうと思って聞いてみた。

「うん。確か九時くらいだったと思う」

 予想以上に早い時間だ。

「九時じゃ帰る時間考えたら夜の部でも二時間しか歌えねえな」

 悩んでいると、立川が口を挟んできた。

「ちなみに俺は終電に間に合えば問題ねえよ。まっ、オールするなり、秀人んちに泊まらしてもらえんなら何時まででも良いけど」

 なるほど。オールや泊まりなら時間気にしなくて良いな。茜や唯はどうなんだろ。

 その後、唯も交えて相談した結果、秀人が立川を泊めるのを快諾、茜と唯はうちに泊まるという事で親にOKをもらえて、夜の部に行く事になった。
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