宝物〜絆〜
「秀人……」
そろそろ帰ろうかという話になって、私は思わず秀人の名前を呼んだ。
離れたくない。帰って欲しくない。「今日、泊まってかね?」という言葉が喉まで出かかっている。
ああ、駄目だ。
今日が最後だって決めただろ。笑顔で送り出すって決めたのに。何、考えてんだ私は。
「ん? どした?」
秀人は不思議そうに首を傾げる。
駄目だ。このままじゃ怪しまれる。
「あっ、いや。その……。一緒に写メ撮らね?」
咄嗟に出てきた言葉がこれ。でも、ちょうど良いかな。記念に撮っておきたい。
「良いけど、突然どうしたんだ? 美咲、お前やっぱり……」
「よーし。じゃあ撮るか。いや、前から撮りたかったんだけど、言いづらくてさ」
秀人の言葉を遮ってポケットから携帯を出す。
出来る限り、いつも通りに微笑むと、秀人も納得して携帯を取り出した。
「俺のも」
にこっと微笑む秀人。
私の携帯で笑った顔、秀人の携帯で間抜け面を撮って、撮れた写真を見ると二人で顔を見合わせて笑い合う。
お互いの写真を赤外線で送って保存。すると今度こそ帰る時間がやってきた。
そろそろ帰ろうかという話になって、私は思わず秀人の名前を呼んだ。
離れたくない。帰って欲しくない。「今日、泊まってかね?」という言葉が喉まで出かかっている。
ああ、駄目だ。
今日が最後だって決めただろ。笑顔で送り出すって決めたのに。何、考えてんだ私は。
「ん? どした?」
秀人は不思議そうに首を傾げる。
駄目だ。このままじゃ怪しまれる。
「あっ、いや。その……。一緒に写メ撮らね?」
咄嗟に出てきた言葉がこれ。でも、ちょうど良いかな。記念に撮っておきたい。
「良いけど、突然どうしたんだ? 美咲、お前やっぱり……」
「よーし。じゃあ撮るか。いや、前から撮りたかったんだけど、言いづらくてさ」
秀人の言葉を遮ってポケットから携帯を出す。
出来る限り、いつも通りに微笑むと、秀人も納得して携帯を取り出した。
「俺のも」
にこっと微笑む秀人。
私の携帯で笑った顔、秀人の携帯で間抜け面を撮って、撮れた写真を見ると二人で顔を見合わせて笑い合う。
お互いの写真を赤外線で送って保存。すると今度こそ帰る時間がやってきた。