BirthControl―女達の戦い―
「遥香ちゃん、具合はどう？

もうすぐお昼だから、そろそろみんな帰ってくるわ

たぶんあなたも呼ばれると思う」


そう言われて遥香は、ここに来てからもうずいぶん時間が経っていたんだと気づかされた。


昨日の夕方拉致されたのだから、今がお昼ということはもうすぐ丸一日が経過する。


遥香は自分が気を失ってずいぶんしばらくの間、目を覚まさなかったんだと把握した。


ほどなくして数人の足音が遥香のいる部屋の前で止まった。


ガチャガチャとドアの鍵を開ける音がする。


昨日遥香を拉致した人達が帰ってきたのかもしれない。


ビクッと遥香の体が瞬時に強張った。


毛布を掴む手に力がこもる。


リオは白衣のポケットに両手を突っ込んで、遥香を庇うように移動した。


バタンッと乱暴にドアが開けられると、そこには茶褐色の迷彩服を着た数人の女性が立っていた。


頭には同じ柄のキャップを被っている。


「女は目を覚ましたのか！」


目線をリオに向けて、女の一人がそう言い放つ。

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