BirthControl―女達の戦い―
しばらくすると、リオがリーダーの元に案内すると言う。


「起きれる?」


なんて優しい言葉をかけてくれるこの人も、本当は拉致した仲間の一人なのだと複雑な気持ちになった。


車の中では死ぬ覚悟までしたんだもの。


今さらリーダーに会うくらいなんてことない。


それよりもなぜここに連れてきたのかを、きちんと説明してもらいたいと遥香は思った。


リオに連れられて部屋を出ると、自分が今いた部屋は一つのロッジだったことがわかる。


外にはいくつもの同じようなロッジがあり、ここが何かの集落のようなものなんだと遥香は認識した。


たくさんのロッジの間をすり抜けながら、しばらく歩いて行くと、他のものより一回り大きいロッジが現れた。


たぶんここが、リオの言うリーダーの部屋なんだろうと遥香は思った。


一段高くなったその部屋の入口には、先ほど荒々しく入ってきた女達と同じような迷彩服を着た女性が両脇に立っている。


リオに手招きされながら入口へと向かうと、両脇の女性達はリオを見るなり敬礼をして中に案内してくれた。


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