BirthControl―女達の戦い―
どうやらリオもここではかなり顔がきくらしい。


さっきの女性達はまだここにきて間もなかったのだろう。


きっとリオにあんな口をきいたことを、今頃後悔しているに違いなかった。


部屋に入ると、そこは先ほどの部屋よりやはり広く、リーダーの住居兼会議室のようになっているのがわかる。


きっとここで、拉致計画もなされていたのかもしれないと遥香は思った。


「カナメ!遥香ちゃんを連れてきたわよ?」


リオが、大きなテーブルの一番向こう側に座っているリーダーらしき人物にそう声をかけた。


カナメと呼ばれたその人は、何かの書類に目を通していた顔をこちらに向けると、人差し指でクイッとこちらに来るように指示をしてから、また書類に向き直る。


リオは小さく溜め息をつきながら遥香の顔を見ると、目でついてきてと言うように合図した。


カナメの座っている椅子の横まで近づいてリオと二人で並んで待っていると、ようやく書類に目を通し終わったのか、遥香達の方に顔を向けた。


一瞬、その美しい顔に目が釘付けになった。


女性……なんだとは思う。


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