BirthControl―女達の戦い―
だけれどかなりの男前っぷりに、遥香は自分の立場も忘れてクラクラしそうになった。


そんな遥香を可笑しそうに眺めながら、リオがからかうように声をかけてくる。


「遥香ちゃん、カナメは一応女性だからね?

ふふっ、惚れちゃダメよ?」


図星を指されて遥香の顔は真っ赤になる。


そんな様子を冷めた目で見ていたカナメが、呆れたように口を開いた。


「リオ、バカなこと言ってないで、さっさと座らせろ!」


「はいはい、わかったわよぉ
そんなにカリカリしないの」


リオはカナメ相手でも、全く臆することなくそう宥めるように話す。


ある意味、ここでの実権はリオが握ってるんじゃないかと思うくらいだった。


「遥香ちゃん?

じゃあここに座ろっか?」


そう言って、カナメの斜め前の席に座るよう勧められた。


遥香は素直に頷いて、その席に恐る恐る近づくと静かに腰を下ろす。


リオはすかさず遥香の横の席に自分も座ると、にこにことカナメが話し出すのを待っていた。


「リオ、お前はもういい……

診察室に帰れ」


うんざりしたようにカナメはそう言ったけれど、リオはそれを一蹴する。

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