BirthControl―女達の戦い―
けれどこの出会いが、遥香の今後の人生を狂わせることになるのだ。


彼女達は今、どうしているのだろう……


あの事件のあと、彼女達は消息を絶った。


親に保護された遥香には何の力もなく、彼女達の希望の星にはなり得なかった。


(きっと……

私に失望しているに違いない……)






「先生、話を聞いてくれてありがとうございました

なんかすっきりしちゃった!

後でランチ食べに来てくださいね?」


百合子が笑顔でそう言いながら診察室を出ていった。


丸山に話を聞いてもらえて少しはすっきりしたみたいだ。


遥香もそんな百合子の姿を見て内心ほっとしていた。


彼女が悩むきっかけを作ったのは、他ならぬ遥香の両親なのだ。


カナメやリオがあれほど必死に阻止しようとしていたあの法案は、2年前に可決されてしまった。


子供が三年出来ない場合、離婚しなくてはならないという愚かな法案が……


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